高機能フィルター 砦(とりで)

【ラインナップ】

・800ボトル用(11.5cm x 11.5cm 100枚入)

・1400ボトル用(14.5cm x 14.5cm 100枚入)

・丸シール(直径39mm 100枚入) 【剥がれにくさ】x【剥がしやすさ】を両立・耐光性◎で日光でボロボロになりにくい

・大ケース用(260mm x 410mm 30枚入)

・中ケース用(240mm x 340mm 30枚入)

・小ケース用(185mm x 260mm 30枚入) ケース用は新聞紙の上位互換 吸水しても破れづらい

 

市販されているボトル・ケース用フィルターは幾つか種類があると思いますが、代表的なのはタイベック紙製、不織布メッシュ製の2種類が挙げられます。

どちらもとても良い素材であり、皆様はそれぞれの特徴を把握された上で、状況に応じて使い分けられているのが現状ではないでしょうか。

例:1本目800ボトルは乾燥を防ぐためにタイベック⇒2本目1400ボトルは酸欠にならないように不織布メッシュ 等

面倒臭がり+腕の足りない私は、それぞれのメリット・デメリットに応じて使い分けるのが大変と個人的に感じていました。何か中間的な物は無いかと。。

また私事ですが、本業で紙加工会社を経営している事もあり、友人や菌糸メーカー様より1種類でオールマイティに使えるフィルターを開発して欲しいという要望も頂きましたので、今回開発する運びとなりました。ですので砦は自社工場にて加工されたオリジナル製品となります。

 

 

どうせ作るなら使用してくださる方に喜んで頂きたいので、まずは大まかに、オールマイティな菌糸フィルターに必要な機能は何か?を考えてみました。

① 適度な通気性と気密性 ⇒ 酸素は十分通すが、雑菌・雑虫は通しづらい。但し、乾燥し過ぎない。繊維が均一であること。蓋とボトルの隙間が限りなく少なくなること。

② 吸水性 ⇒ 吸水性が無いと、フィルター内面・蓋裏側の結露が菌糸表面に垂れて劣化に繋がる。(特にカワラ菌糸にとって重要) フィルター全面が結露すると酸欠に直結する。またカビが生えやすくなる。フィルター・菌糸表面の結露を定期的に拭き取る方も多いのではないでしょうか?また、結露をフィルターが吸ってくれれば、フィルターが湿った状態になりますので、ボトル内の調湿効果が期待できるのではと考えます。

③ 耐久性 ⇒ 濡れたとしても破れづらいこと。水洗い⇒日光での乾燥にて加水分解されてボロボロにならないこと。

④サイズ感 ⇒ フィルターをセットする際に少し中心からズレてしまってもフィルターが蓋全体を覆ってくれるサイズ感。作業性が大きく左右されます。

⑤ 抗菌性 ⇒ 外部からの雑菌の侵入を抑制すること。内部に存在する雑菌の繁殖を抑制すること。但しきのこ菌糸には悪く作用しないこと。菌糸が培地内で優勢であり続けることにより、発菌が良好になるはず。

 

①~④を満たす特注紙を製紙メーカー様に抄いて頂けることになりました。

また、フィルター基材選定のポイントの一つである「トビムシが通過しやすいか」について、下記実験結果が出ております。

 

A トビムシの湧いたボトル(蓋とボトル本体の隙間をテープで密閉)にメッシュタイプのシールを貼り、密閉した発泡箱の中に入れ48時間経過後。

 

 

B フィルターのみメッシュ⇒砦に交換し、同じボトルにてAと同条件で48時間経過後。

 

今回の実験では、写真の通り、トビムシが砦を越えることはありませんでした。※あくまで結果一例であり、確実に通過しないと約束するものではありません。

但し、砦含めてどのフィルターも蓋とボトル本体の隙間を完全に塞ぐことは出来ないと思います。

 

⑤に関して、本業にて某商社様と直近数年さまざまな素材へテストを続けている高品質で生物に安全な特殊抗菌薬液を採用しました。水分子に反応して防臭・防カビ・抗ウイルスの効果を半永久的に発揮します。但し、基本的に菌糸表面からボトル蓋までの空間に作用しますので、菌糸ボトル全体の発菌に悪影響は確認されていません。また、既に蔓延する青カビを消し去ることはできません。クリーンな空気を外部から取り入れることにより、菌糸が伸び伸びと快適に蔓延る環境を促進しますので、詰めた後の発菌の良さ・劣化の遅延が期待されます。以下あくまで参考データですが、当校では外観でも差を確認できています。※どの環境・条件でも同効果を保証するものではありません。あくまで補足的な機能とお考えください。

 

今後の販売経路は、基本的にお取り扱いショップ様よりご購入願います。

卸売先様に関して、ご興味持って頂きましたら、当サイトの問い合わせ・Dorcus-Academy XのDM等にてお気軽にお問合せください。

卸売先様に関して、基本的には法人様・開業されている屋号をお持ちの方に限らせて頂きます。(場合によっては、卸売をお断りする場合も御座いますのでご理解ください。)

 

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取扱ショップ様向け宣材写真

 

よくあるご質問Q&A

①タイペストより通気性が良いということは乾燥しやすい?

⇒メッシュとタイペストの中間を探るに当たって、通気性を重視しましたので、相反する乾燥しにくさはタイペストに少し軍配が上がると思います。 オオヒラタケ菌糸800ボトル 25℃ 50% 約3ヶ月 の条件で、菌糸ボトルの重量減少率を各8本テストし平均を取りました。タイペスト⇒6.6%  砦フィルター⇒7.2%  水分の抜けの差が平均0.6%(重量にして3.5g)  どの菌種、マットに関しても飼育環境の温度と同じくらい「湿度」が大事と思っています。あくまで私の感覚ですが、基本的に飼育環境の湿度が50%を切るのは危険と認識しています。私はオオヒラタケ、カンタケ、マットは湿度55~65% カワラは湿度60~95%の環境で飼育しています。砦をご使用される場合もされない場合も、いずれにしても温度と同じくらい「湿度」にも拘ってみてください。

 

②触った感じ少しツルツルの面と少しザラザラの面があるけど、裏表ってある?

⇒ツルツルを表と定義した場合、私は表が外側、裏がボトル内部側にくるようにセッティングしています。但し、大きな違いはありませんのでお好きな使い方をされてください。

表・裏の違いのレビューがユーザー様からあった際は追記します。

 

③再利用可能?

衛生面・機能面の観点よりメーカーとしては再利用は推奨しかねます。

 

④砦は万能?

無責任な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、世の中に万能なアイテムは無いと思っています。道具の特性を理解して使いこなすことが大事と思います。

ただ、砦にはメリットが複数ありますので、扱いやすいアイテムではないかと思っています。各飼育品をそれぞれ違うご自身の環境でどう扱うかを楽しんでください。

 

1枚の紙が皆様のブリードライフを少しでも豊かにできますように。

 

2024/12/11 Dorcus-Academy 遊鬼